ⅰ.胸やけ、込み上げ感、喉・胸のつかえ感、背部痛、胸部痛(循環器・呼吸器科との鑑別必要)
ⅱ.吐き気、嘔吐、吐血、食欲不振
ⅲ.腹痛、腹部違和感、黄疸、便秘、下痢、下血
ⅳ.粘液便、粘血便、血便、直腸・肛門痛
ⅴ.がん検診陽性者
血液の胃がん検診(ABC検診)陽性者
大腸がん検診(便潜血反応)陽性者
ⅰ.食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、直腸、肛門
ⅱ.肝臓、胆道系(含胆嚢)、膵臓
ⅰ.胃内視鏡検査…食道・胃・十二指腸を電子内視鏡を用いて精査します。
a.現在、経口内視鏡の他、極細の内視鏡を鼻から挿入する経鼻内視鏡も行っています。喉への刺激が少なくとても楽に検査を受けられるとして、注目されています。
b.特殊光を当てて癌との鑑別等に威力を発揮するNBI下の観察も積極的に行っています。
NBI(狭帯域光観察)とは、(1)血液に強く吸収される光と(2)粘膜で強く反射・散乱される光として、中心波長を415nmと540nmに最適化し、そのスペクトル幅を狭帯域化することで、粘膜表面の血管や粘膜微細模様、毛細血管が集まる領域の強調表示を行う光学的な画像強調技術。
粘膜表層を高コントラストで観察でき、診断に重要な微細な模様をとらえることが可能。
ⅱ.大腸内視鏡検査…大腸全域と直腸、及び小腸の一部(回腸末端)を電子内視鏡を用いて精査します。
a.大腸内視鏡検査ではNBI下拡大観察を行い、より精度の高い検査を心がけています。
b.原則として、無透視(X線を用いない)、無麻酔(麻酔、鎮静剤等を用いない)、一人法で患者さんに負担をかけない検査・治療を心がけています。
c.大腸内視鏡検査前に行う大腸前処置法(多量の下剤を飲んで一気に大腸をきれいにする処置)も、各々の患者さんの好みに合わせた、受け入れやすい方法で行うよう努めています。
ⅲ.胃透視、注腸造影
バリウムを用いて胃及び大腸のX線写真を撮ります。有用な検査ですが、通常は内視鏡が行われるようになりました。
ⅳ.超音波検査
a.心臓超音波検査
b.腹部超音波検査
肝臓、胆道系、膵臓、脾臓、腎臓、大動脈等を検査します。
c.甲状腺超音波検査
d.乳腺超音波検査
e.軟部組織超音波検査
f.直腸肛門管超音波検査
ⅴ.16列マルチスライスCT
頭部・頚部・胸部・肺野・腹部・四肢軟部組織・骨に対し、高速でスキャンし精査を行います。
ⅵ.直腸・肛門内圧測定
主に、便失禁等排便障害に対する肛門括約筋の評価を行います。
ⅶ.カプセル内視鏡
①前日夜9時以降は食事をとらずに当日朝来院して頂きます。
②当日朝、少量の水は服用してかまいません。
③検査直前に、麻酔剤を喉にためて、ガラガラっと3-4回うがいをするだけで喉は十分に麻酔されます。
④(セデーション時はここで鎮静剤等を投与します。)
⑤内視鏡挿入直前に喉に麻酔のスプレー(経鼻内視鏡では鼻腔に)をおこなってから、検査を開始します。
⑥検査は5-10分で終了します。
①前々日の夜、下剤(錠剤)を飲みます。
②前日は便になりにくい食事(看護師が説明します)を摂って頂き、夜下剤を飲みます。
③当日は仕上げの下剤(マグコロールP)を1,800ml服用し、午前中に大腸をきれいにします。
⇒自宅で飲む方もいらっしゃいます。
④午後、順番に検査を行います。検査時間は20分程です。
⑤検査後、十分にガスを出してお休みになってからお帰り頂いています。
●当院は、日本大腸肛門病学会認定施設に認定されています。
●診療トピック
症状別にクリックすると、もっとも考えられる疾患の説明に移ります。症状は個人差があり、とりあえずの対応の目安として下さい。早期の肛門科専門医への受診をおすすめします。
以上の様に、日常生活に留意し、坐剤にて軽快していきますが、母指頭大程までになると、疼痛の緩和までに時間がかかります。
この場合、専門医にて、局所麻酔科に切開してもらい、血栓を摘出するだけで、劇的に症状は緩和します。
内痔核(いぼ痔の代表)が大きくなり肛門より脱出を繰り返すうちに、脱出したまま肛門の縁で締め付けられて、うっ血をきたし、急激に増大した状態をいいます。
通常、肛門縁の外痔核も伴い、疼痛が強く、戻すことができません。
肛門の奧、肛門上皮と直腸粘膜の境界(歯状線といいます。)の直腸側の痔静脈が腫れて、静脈瘤となった状態をいいます(直腸粘膜が緩んで脱出するタイプもあります。)。直腸粘膜側の腫脹ですので、痛みの神経はなく、通常は(大きくならないうちは)痛みません。
文字通り肛門の周囲に膿のたまった状態をいいます。
具体的には、肛門上皮(肛門の入り口の皮膚の部)と、直腸粘膜の境界部(歯状線)に存在する肛門小窩と呼ばれるくぼみから、肛門腺と呼ばれる分泌腺に向けて細菌が入り込み、化膿して膿が貯まった状態をいいます。
いわゆる、あな痔(痔瘻)の前段階の状態で、膿によるトンネルが貫通すると一部を除いて痔瘻になります。肛門周囲膿瘍がすべて痔瘻になるわけではありませんが、単純なタイプでは約70%が痔瘻になると考えられています。
痔瘻や肛門周囲膿瘍は、比較的下痢症の男性に多いのも一つの特徴です。膿が、肛門周囲の皮膚に自潰して、トンネルが形成される場合もありますが、多くは皮膚は赤く腫れ上がり、熱感を伴い排便と無関係にズキズキ痛みます。
まれに、肛門周囲に変わりのない高位筋間痔瘻や複雑痔瘻では、診断・治療方針の決定が難しく、専門医による診察が強く望まれます。
まず、お風呂はさっとにして、長風呂は避けましょう。症状悪化の原因になります。
疼痛が高度になってきた場合の応急処置として、切開・排膿術を受けると症状は劇的に改善します。
肛門周囲膿瘍は、トンネルが貫通すれば痔瘻になり、症状は改善しますが、痔瘻は自然治癒することはなく、手術以外に治療法はありません。
肛門周囲膿瘍を放置すれば膿瘍が増大し、疼痛が増悪するだけでなく、痔瘻の複雑化を促します。また、痔瘻も放置することにより膿瘍を繰り返し、痔瘻の複雑化の主因となります。複雑痔瘻を長期間放置すると、ガン化のリスクが高くなるといわれています。
肛門周囲膿瘍の中には、診断が困難なものもあり、可能な限り、専門医の元で診療を受けられることをおすすめいたします。
肛門周囲の皮膚が炎症を起こすもので、原因として、下痢、痔疾患によるもの、真菌症によるものがあり、また、神経質な方で、肛門の洗浄を執拗に行っている方や、逆におしりを不潔にしている方にもみられます。まれには、蟯虫等の寄生虫によるものや、黄疸・アレルギー体質等全身疾患の一部として生じることもあります。これらにより生じた皮膚炎のため掻きむしることにより、疼痛が生じてきます。
また、慢性裂肛や脱肛等によって生じた皮垂や外痔核により、排便後きれいにふき取りにくくなることも一因となります。
原因の治療が重要です。すなわち、便通を整えること、痔疾患、真菌症或いは、アレルギー等が疑われるようならその治療をすることが重要です。
とりあえずの手当てとしては、まず、便通を整えること、そして肛門を掻かないこと、清潔にしておくことです。すなわち、排便後の肛門の洗浄や、毎日お風呂に入ることが大事です。肛門を石鹸で洗うと皮膚のかぶれを悪化させることがあります。
ひとりで悩まず、早めに肛門科専門医の診察を受けましょう。
熱感を伴うようであれば、初期の肛門周囲膿瘍又は、特殊な肛門周囲膿瘍(高位筋間痔瘻等)が考えられます。
また、出血を伴うようであれば、肛門腫瘍(肛門ガン)も否定できません。
肛門縁より3cmぐらいの長さの肛門管に生じたガン。
肛門付近が硬くしこるようになり、圧痛を伴い、痛みは排便と無関係に持続的になっていきます。出血は、あまり多くはないことが多いです。
発生場所は、肛門管粘膜側から生じるものと、長期の難治性痔瘻(特に複雑痔瘻)から生じる痔瘻ガン等とに大きく分けられます。
なお、直腸ガンも肛門側に進展してくると、肛門ガンと同様な持続的疼痛を伴うようになります。
肛門ガンは、比較的早期のうちから、出血・疼痛等の症状が出やすく早期発見がしやすいようにも思えますが、実は、痔と思って放置する人が非常に多く、かなり進行してから来院する方が非常に多いようです。
一人での診断は不可能です。一人で様子を見ていたり、市販薬で治療を続けていては、決して直らないどころか、どんどん進行し、手遅れとなることもあります。
早期のものであれば、簡単な手術ですむ場合もあるので、早めに専門医を受診しましょう。
裂肛(切れ痔)、肛門潰瘍(慢性裂肛)が考えられます。ごくまれに肛門異物である事もあります。
肛門上皮が裂けて傷ができたものを、裂肛(切れ痔)といい、これが慢性化し、潰瘍化したものを肛門潰瘍といいます。
裂肛の時期は排便時のみの疼痛ですむ事が多いですが、肛門潰瘍になると排便後もしばらく疼痛が続く事が多いようです。
いずれも若い方に多くみられ、女性の場合は便秘症の方に多く、男性の場合は下痢症の方に多いようです。
また、裂肛が慢性化し肛門潰瘍になると、疼痛が増すばかりでなく、肛門乳頭部の肥厚をきたし、肛門ポリープ(良性です。)が生じ、皮膚側には皮膚のたわみ(見張りイボ)が生じてきます。
また、裂肛を繰り返したり、肛門潰瘍の状態になると繊維化進み、肛門が狭くなることがあります(肛門狭窄)。肛門狭窄では、排便時に息む事が多くなるだけでなく、健康な太い便の排出はできなくなり、形の整わないバサバサ便しか出せないようになります。
初期の裂肛であれば、毎日の入浴や排便後の洗浄により肛門を清潔に保ち、便通を整えることで、改善することが殆どです。
便の硬さは練りは磨き粉より少し固め位が良いようです。また、排便時のいきむ習慣を改め、排便時間をできるだけ短縮する事が重要です。
裂肛が繰り返されるようになり、容易に改善しない場合は、潰瘍化しないうちに早めに専門医に受診し、軟膏、坐剤等の薬物療法も併せた治療を受けましょう。これで治まる可能性は十分にあります。しかし、これでも治療が長引く場合は、簡単な(日帰りの)手術(要手拡張術、側方内括約筋切開術、ドレナージ手術等)が必要となることもあります。
肛門潰瘍となった場合は、保存的治療よりもむしろ、手術的治療の方が多いです。その方法は、様々ですが、肛門狭窄を高度に合併している場合は、十分な括約筋切開をおいたり、皮膚弁を形成したりといった手技が必要となり、数日ぐらいの入院が必要になることもあります。
裂肛が肛門潰瘍・肛門狭窄に進展している症状を伴うようであれば、それはもはや自己判断での治療の限界を超えており、早期の肛門科専門医への受診が望まれます。
内痔核による出血が考えられます。まれに、直腸、肛門腫瘍(癌)によることもあります。
直腸下端と肛門管にある静脈叢が、うっ血により腫れ、静脈瘤を形成したものが内痔核です(静脈瘤説)。直腸粘膜が緩んで脱出するタイプもあります。
<原因・増悪因子>
2本足で立って歩くヒトの宿命と言える。
便秘のためトイレで強く息む習慣のある方、又は下痢気味のため頻回にトイレで息むことの多い方。→→→痔静脈のうっ血を来たし、内痔核を引き起こす。
長時間の立位、坐位、日常生活の不摂生、アルコール過飲、ストレス、妊娠、出産等。
職業では、長時間の運転手、事務系職員、長時間厨房にいる調理師等。
スポーツでは、ゴルフ、バッティング等瞬間的に強くおしりを閉めるものや、自転車の運転。また、冬場や、クーラーの強く効いた部屋に長時間居ることもよくありません。
<内痔核の進展度>
第Ⅰ度 核が脱出しないが、出血する。
第Ⅱ度 痔核が脱出するが、すぐに自然に戻る。
第Ⅲ度 痔核が脱出し、指などで押し込まないと中へ入らない。
第Ⅳ度 痔核が常時脱出したままの状態。(第Ⅲ度と第Ⅳ度を、脱肛という。)
内痔核が進展すると、排便時、真っ赤な血液が走るように出たり、ポタポタ垂れたり、わずかに紙に付いたりします。また、内痔核が大きくなると、血栓を生じるようになって外痔核も併発し、疼痛も伴うようになります。
一般に、第Ⅲ、Ⅳ度の内痔核は手術が必要と言われているがそれは間違い。
あくまでも、良性疾患であり、また個人差もあるため、個々の症例により手術の適応を決めるべきであると考えます。実際、内痔核で加療する患者の7~8割の方々は、保存的加療(手術をしない治療)で良くなります。
<保存的治療>
<他の治療法>
<当院での治療方針>
①生活・排便習慣の指導及び薬物による保存的治療
②ICG併用半導体レーザー凝固療法
③ALTA療法(ジオン注Rによる内痔核に対する四段階注射療法)
④結紮術
⑤結紮切除術(+半閉鎖法)
まず①の方法で治療開始し、1-2カ月の経過で①以外の方法を検討します。
⑤の結紮切除術は専門医であれば第一選択とする術式で術後の再発は殆どありません。
②の半導体レーザー凝固療法、③のALTA療法は各々単独療法では術後の痛みは殆ど無く、日帰りないしは短期入院での対応が可能です。
実際の手術では②~⑤の手技を組み合わせることもしばしば行われ、患者さんにより負担の少ない治療を心がけています。
直腸がん・肛門がんでは、しばしば出血は鮮血で、内痔核や裂肛と同様の症状を呈します。粘血便のこともあります。このうち、直腸がんは痛みを伴わないことが多く、肛門がんは疼痛を伴うことが多いです。
この為、例え真っ赤な出血であっても、血便を認めた場合は、自己判断はせず、専門医受診が必要です。
直腸腫瘍(癌)、直腸脱、直腸粘膜脱、直腸粘膜脱症候群の他に炎症性腸疾患(IBD潰瘍性大腸炎、クローン病)が考えられます。その他、細菌性腸炎、薬剤性腸炎、虚血性大腸炎、放射線性腸炎のこともあります。いずれも腹痛、下痢等腹部症状を伴うことが多く、大腸内視鏡検査、便培養、あるいは起因薬剤の中止による改善等で診断は容易です。
直腸を上につり上げている筋肉や靱帯などの支持組織がゆるみ、その結果、直腸が肛門の外に出てくる状態。脱肛とよく間違われます。多くはこぶし大程度に直腸が脱出してきますが、通常の診察だけでは診断がつかないことが多いです。便器上で強くいきんで行う診察(怒責診)で容易に診断されます。
<原因>
<分類>
<治療(手当て)>
直腸粘膜がゆるくなり、排便時粘膜が一部脱出する状態。ホワイトヘッド手術(以前、内痔核に対してよく行われた手術で、痔核を含め、全周性に切除してしまう手術。手術後一時的に経過は良好となるも、時間と共に肛門狭窄、粘膜脱等の合併症を生じることが多く、現在は殆ど行われていません。)の後遺症として、また長期経過した裂肛による肛門狭窄に付随して、更には高齢で直腸粘膜の支持組織が弱くなって出現することが多いようです。
<治療(手当て)>
比較的希な良性の疾患です。
<症状>
潜在性又は、顕在性に直腸粘膜が脱出する状態となり、多くは下血と粘液便を訴えます。
<特徴>
<治療(手当て)>
自己診断は不可能であり、上記に該当する症状、慣習のある方は他の疾患と鑑別してもらうためにも、早期に専門医を受診する言葉望まれます。その結果、当疾患であるとされれば、排便習慣のコントロールを主とした保存的治療で症状は良くなり、手術は必要がありません。
クローン病と並んで、炎症性腸疾患を代表する疾患。原因は不明で、近年罹患率が増加中です。
<症状>
<病態>
<治療(手当て)>
潰瘍性大腸炎と並んで炎症性腸疾患を代表する疾患。原因は不明で、世界的に、また本邦に於いても、近年罹患率が増加中です。
<症状>
<病態>
<治療(手当て)>
S状結腸より以深の大腸癌、細菌性腸炎、虚血性大腸炎、薬剤性腸炎、放射線性腸炎等が考えられます。
大腸癌以外では、腹痛、下痢等の腹部症状を伴うことが多く、便培養検査、起因薬剤の中止、更には大腸内視鏡検査により、鑑別診断は容易です。
上部消化管(胃・十二指腸)からの出血が最も考えられ、胃又は十二指腸潰瘍、又は胃腫瘍の可能性が高いと思われます。
大腸内視鏡検査は、消化器を専門としている施設(総合病院等も含めて)においても専門医がまだまだ少なく、検査はつらく、苦痛以外の何ものでもないといった評価が蔓延しているのが実状です。
しかし、専門医のレベルは、向上しており、強い鎮静剤を使用することなく、短時間で苦痛のない検査を提供できる時代になって参りました。当院の消化器科・大腸肛門科では、消化器病学会認定医・大腸肛門病学会認定専門医により、群馬大学等における抱負な経験のもと、苦痛のない、的確な検査を提供するよう努力して参りました。
今回、当院の全大腸内視鏡検査後にとったアンケート結果を掲載します。(1997年秋、115名)
アンケート結果》平均年齢 57.2歳、男女比 1.5:1
①全大腸内視鏡検査を終えて、その余韻の冷めないうちの検査への感想は次の通りです。
A:楽だった
B:違和感はあったが、苦痛無し
C:やや苦痛であった
D:大変苦痛だった
この結果、55%の方は検査は苦痛でなかったと答え、少し苦痛があった程度の方を加えればほぼ全員の、97%の方々が当院の全大腸内視鏡検査ではさほどの苦痛はなかったと答えました。
②下図は、過去に胃カメラを受けたことのある方で、どちらが楽だったかを集計したものです。
これによると、当院での全大腸内視鏡検査は、胃内視鏡(胃カメラ)検査より楽であるとする方が全体の過半数を超え60%であったのに対し、胃カメラの方が楽であったとする方は全体の22%に過ぎませんでした。専門医による全大腸内視鏡検査は、技術、器具の進歩により胃の検診並に受けいれられるものと思います。
③最後に
A:是非毎年受けたい
B:必要なら毎年受ける
C:3-4年に一度なら受ける
D:できるだけ受けたくない
E:二度と受けたくない
以上、毎年受ける意志のある方は、実に75%に達しました。
Q-1:以前から便秘で悩んでいます。一向に良くならず心配です。(32歳、女性)
Q-2:半年前から便秘で、徐々に進行しています。癌でしょうか?(46歳、男性)
A:便秘には機能性便秘と症候性便秘があり、殆どは機能性です。前者の対処法は規則正しい生活であり、一日三食、十分な睡眠、適度な運動の継続が基本です。そして十分な水分と食物繊維の摂取が重要です。穀類、芋類、豆類、根菜類、海藻類、きのこ類、果物などを毎食摂取しましょう。レタス等のかさのある生野菜は繊維を十分には摂れません。野菜は温野菜にしてかさを減らすと良いでしょう。そして、便意は我慢しないことです。
症候性便秘の原因には、大腸癌等による通過障害が代表的で、慢性の切れ痔(裂肛)による肛門狭窄や高度の脱肛も一因となります。対処法は機能性便秘に準じますが、早期の診断・治療が肝心です。
便秘が機能性か症候性かの判断は難しい場合が多く、遷延化あるいは悪化したり、血便を伴うようなら、早めに大腸・肛門病の専門医を受診しましょう。大腸と肛門は、連続した一つの臓器ですから、一方だけを診るのでは片手落ちとなることも多いのです。現在、専門医のもとでは、鎮静剤を用いずに苦痛の無い全大腸内視鏡検査を行うことが当然となっています。そして、殆どの早期癌やポリープの内視鏡下治療がその場で安全・確実に行えます。大腸癌の原因は、遺伝や食生活の欧米化等いろいろ考えられていますが、現在最も確実な予防法は、大腸内視鏡による定期検査を受けることです。
近年大腸ガンは急増しており、早期発見・治療のために精密検査である全大腸内視鏡検査(すべての大腸・直腸を観察)が欠かせません。しかし、この検査に多くの人は強い抵抗があります。その理由として、大腸をきれいにする前処置が大変だ、という声と、とても痛く苦しい検査だという声が多く聞かれます。本当にそんなに辛い検査でしょうか?
大腸は、右下腹部の盲腸に始まり右上腹部へ向かい、ここで屈曲し左上腹部へ横切り(横行結腸)、さらに屈曲し左下腹部へ向かいます(下行結腸)。そして急な屈曲後S状結腸へ移行し、直腸・肛門へと達します。横行結腸とS状結腸は、周囲に固定されていない点が他の結腸と異なり、とても長く蛇行するケース多くみられます。
大腸内視鏡の手技の進歩はめざましく、以前は二人で内視鏡操作をしていましたが、現在は一人で挿入する一人法が主流です。基本的には、約120cmの長さの大腸を短縮しながら屈曲を解除しつつ挿入します。無理に押し込むとすぐに腸管は進展して大きなループを描いてしまい、耐え難い疼痛を引き起こします。また、挿入時空気を入れすぎるとお腹がパンパンにはってしまい大変な苦痛になります。各屈曲部はむやみな挿入では通過できず、特にS状結腸から下行結腸への挿入は難しく、ここで大変な時間をかけ、苦痛を与えてしまうことがままあるようです。人により大腸の長さや走行はまちまちで、どんな人にも常に盲腸まで挿入するにはかなりの経験を有しますが、解剖を熟知し、送気を控えめにして、短縮を進めながら挿入できれば、挿入に伴う痛みはほとんどなく、しかもごく短時間に挿入できます。実際ほとんどの人は数分で盲腸まで到達します。胃カメラより楽、という人がほとんどです。専門医の元での検査は、とても楽にできると思います。検査前に多量の下剤を飲みますが、当院採用の下剤はスポーツドリンク風で飲み安く好評です。また、下剤(錠剤)を自分の好きなドリンクで飲める前処置法もあり、こちらも好評です。
繰り返す下痢・血便は要注意
若い人に発症する腸の病気についてお話しします。主訴は腹痛・発熱・下痢・暗赤色血便です。肛門の出血の殆どは真っ赤で、暗赤色の場合病変部は肛門より奥の直腸又は大腸にあると考えます。腫瘍も否定できませんがまず腸の炎症が疑われます。即ち、食中毒などによる細菌性腸炎、薬剤性腸炎、寄生虫感染症、虚血性腸炎などです。更に若い方で注意すべきものに炎症性腸疾患(IBD)があり、『潰瘍性大腸炎(UC)』と『クローン病(CD)』が代表です。前者は20~30歳代に、後者は10~20歳代に好発し、供に原因不明で最近増加傾向にあります。両者とも厚労省指定の特定疾患(難病)です。これらの疾患の鑑別には、全大腸内視鏡検査が不可欠で、内視鏡下に病理組織検査を行います。UCは直腸から奥へ連続性に大腸のみおかす特徴があり、多くは慢性的ですが、中には急激な発症・再燃を起こして大腸全摘出術が必要になることもあります。CDでは多くは10歳代から下痢を繰り返すことが多く、腸穿孔や腸閉塞、或いは腸管同志や腸管と皮膚との瘻孔形成が引き起こされることがあります。中でも難治性の複雑痔瘻(あな痔)による肛門周囲膿瘍で発症することが多いのが特徴です。慢性的で、主に小腸・大腸が非連続性に犯され、しばしば経過中に開腹手術が必要となります。IBDは適切な加療(食事療法、薬物療法等)を早期より行えばより早い緩解が得られ、通常の生活が送れるようになります。そのためには長引く下痢や時にでも出血がある方、或いは肛門周囲膿瘍を繰り返している方は、早めに専門医を受診し大腸内視鏡検査を受けましょう。
当院では、全大腸内視鏡検査前の前処置として、マグコロールP100gを1,800ccの水に溶かしたものを服用して頂いています。スポーツドリンク風の味で大変飲みやすくなっています。
また、錠剤(ビジクリア錠)を自分の好みの飲み物で服用して頂く方法もあります。飲み物はお茶、ミネラルウォーター等糖分をあまり含有していないものならOKです。約1,800~2,000cc服用して頂きます。マグコロールPも飲みやすいですが、更に選択肢が広がりました。
当院は、保険診療機関です。日帰り手術、短期入院手術も行っていますが、仮に10日間入院した場合、脱肛の場合なら2割負担の方で5万円前後、3割負担の方で7~8万円位の負担となります。また、痔瘻であれば、2割負担の方で4~5万円位、3割負担の方で7万円位です。複雑痔瘻では入院期間が少し長くなります。このほか、差額ベッドを利用した場合の部屋代が追加される程度です。
ようこそ整形外科へ
整形外科は、もともと外科が医学の進歩とともに細分化されできたものです。
おもに四肢や脊椎の外傷、痛みを専門とし、骨、筋肉、神経などを対象にしています。
当院のリハビリを紹介します。
当院では現在理学療法士5名、助手1名でリハビリ業務を行っています。
算定は運動器リハビリテーションⅠ、脳血管疾患リハビリテーションⅢ、消炎鎮痛処置をとっています。
入院患者様、通院患者様のリハビリを行っており、出来るだけ患者様のニーズに応えていきたいと思ってます。
また介護保険との連携もスムーズに行えるようにソーシャルワーカーと協力しています。
さらに義肢装具士や近隣の医療・介護サービスとの連携で、患者様が生活しやすいように生活支援のお手伝いも行ってます。